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特徴

フレームグラバー(ハードウェア)の開発、欠陥検出アルゴリズム(ソフトウェア)の開発、欠陥検査装置(設備)の 開発、それぞれの視点から20年に及ぶラインスキャンカメラ応用機器の開発に携わり、光学セッティングの際、必要不可欠になる機構を備えたのが本基礎ステージです。

ラインスキャンカメラ撮像ならではの、必要に発生するむずかしさや浪費時間を、効率改善のベースツールに置換え、機器セットアップ、光学セッティング時間を最小にできます。

取付方法の違うカメラ・照明の固定困難

必要箇所で調整が行えない難解

直感的・直接的な操作が行えないロス

環境づくりばかりに時間が掛かる事実

M72マウントまでの多くカメラ、様々な照明を直接取付

ラインカメラ撮像で必要になる調整機構を確実なネジ固定で搭載

必要な部位で直感的に。確実な移動・固定を実現した角度可変機構を搭載。

検出部位の光学条件トライのみに集中。安定的な再現トライも可能。

「カメラ・照明のテスティングに取付固定の苦難」「データ取りでの微妙な角度送りに対する位置変動や不安定」「セッティング移動に大きな時間を要する」この3問題を解決します。
FLEX-Lは、主柱が角度可変する機能を有するのもそのためです。必要にして生まれたラインスキャンカメラ応用の為の基礎ツールです。

ラインカメラをこれからお使いになられる方:
エリアカメラと違い、最初の試料画像を得るために、調整機構が有るべきではなく必須です。

データ取りを深化されたい方:
特徴を際立たせるために、どこで微細調整を行うかになると思います。
FLEX-Lでは、“どこで”に相当する直感的な部位で調整機構を備えた商品です。

カメラ・照明テストやデモ主体な方:
FLEX-Lは、多くのカメラ、多くの照明を追加部材なくスマートに。客先との立会検証でも信頼性高く訴求できます。
即座に交換・取付が行えるデモ機材です。

検出アルゴリズムなどオリジナルソフトウェアの納入プラットホームをお探しの方:
柱の位置は移動も移設も可能です。納入形態が反射照明設置でも、透過照明設置でも変化できます。
納入仕様にあわせ「なんとでもなる」御社専用の納入台になれる基礎ステージです。

照明角の調整のみで行える用途向けにお使いであれば

固定アームモデルがおすすめです。
もっとも低コストです。固定アーム(主柱角度可変無し)とは言え、主柱自体の移動や移設は他モデル同様に行えます。

まずは様々な意味でお試しの試料評価用に1台。や、お客様デモ用にしっかり信頼感ある試験台用には

可変アームモデルがおすすめです。
カメラ操作角、照明照射角の直感的な可変は独立アームモデルに劣りますが、同様な光学セッティングが可能なモデルです。

検体の“キワ”など照明の角度だけでなくカメラの角度も重視する様にお使いであれば

独立アームモデルがおすすめです。
照明を固定する柱が主柱から角度可変。かつ、カメラ柱とは独立して位置可変できます。
反射板や透過板を応用する場合もこのモデルがセッティング有利と思います。

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ラインスキャンカメラで画像が取得できる状態にするまで

ラインスキャンカメラ撮像として対象になりやすい
円筒体でのファーストステップ

  1. 回転(円筒体)、移動(フィルム等)させなくとも、実は画像取得の状態までセットアップすることは可能です。すでに搬送ステーションが準備されていればその環境を挿抜ナット(NT-Mx)を利用し、FLEX-Lベース盤へ設置しセットアップするのが最良です。
      
  2. カメラと照明、円筒体を設置します。円筒体(試料)は位置が変わらない様に確実に固定します。
    • この時、カメラ、照明は大まかな期待方向に向いていれば大丈夫です。
    • FLEX-Lの各調整機構の調整ネジは、きつく締めず、手でググッと動く程度にしておくとFLEX-Lの使い勝手の良さにお気づき頂けると思います。
    • 円筒体は、FLEX-Lベース盤のレール溝を使用し、動かない様にしっかり保持します。
    • ※仮ワークとして円筒体を採用される場合は、金属(光る)面は紙などを貼り避けてください(初動ステップでは難しいので)。
        
  3. 目視で調整できる範囲で照明角、カメラ角を調整します。照明を点灯させ、カメラをスキャン単位で表示(波形表示)されるモードにします。
    下記操作を行い、適度(通常は輝度レンジの中間付近)な波形高さになるように照明光度、レンズ絞りをまず粗出し調整します。
    • Step1:目視範囲で照明の照射方向を調整
      「照明固定シャーシ:照射上下振り方向」調整で、円筒体のカメラに向かった円周トップ面に照明が照射される様に“目視”で調整します。
      • イメージは、ビリヤードです。照明から発光し、円筒体面に当たり、カメラレンズに入る、トップ面です。
    • Step2:ワーク(円筒体)位置の調整、位置確定
      この時点で、目視で傾きに違いを感じる様な場合は円筒体の設置(ステーションの固定)側を調整します。
    • Step3:目視範囲でカメラの視野(スキャン位置)方向を調整
      「カメラ固定シャーシ:視野上下振り方向」調整で、視野を大きく上下させながら、波形表示が盛り上がる(上昇)する場所を探し、仮固定します。続きレンズのピントを操作し、波形がざらつく(細かく上下変動が大きくなる)ピントに仮合わせします。波形上昇と波形ざらつきが最も良くなる角度を見つけるまで繰り返します。
        
  4. 計測寸法(ピクセルサイズとの相関)を一致させます。
    ・寸法基準になる物を用意します。このご説明ではシンワ社などのJISスチール定規を使用します。
    3項で整えた波形表示の中央ピクセル付近にスチール定規を置きます。すると凹状に凹んだ波形(影)がでます。(150mm長のスチール定規は幅15mmです。この15mmを使用します。)
    • Step1:画像のピクセルと寸法の相関調整
      凹んだ波形の区間ピクセル数を確認し、寸法相関15mmよりピクセル数が多ければカメラが近すぎ。少なければ遠すぎです。「主柱とのカメラ柱の高さ」を調整します。数~数十ピクセル誤差以内ぐらいまで調整します。
    • Step2:ピクセルと寸法相関の正確な調整
      「カメラ固定シャーシ:視野遠近(WD微調)」調整で、少しづつ移動&確認をしながら、計測寸法を納得値まで一致させます。
        
  5. 正確に調整します。
    カメラ(スキャンライン)と円筒体の平行を出す場合、円筒体に平行な物理形状があればそれを基準にするのが一番です。このご説明では、マスキングテープを矢印状にカットしたものを使用します。2つ矢印を用意します。
    • Step1カメラ(スキャンライン)の平行を正確に調整します。
      円筒体の並行点を示す様に矢印マスキングテープを両端付近、正確な並行点を指し示す様に矢印を貼り、波形表示を見ながら円筒体をゆっくり回し、矢印マスキングテープの先端が影として出てくるところを探します。
      先端の影が出るタイミングを「カメラ固定シャーシ:可変レバー位置移動」でカメラ画角傾斜の微調整を行います。同時に出てくる場所を探るように繊細に調整することで、カメラの正確な平行出しが完了します。
    • Step2ピントを正確に調整します。
      矢印マスキングテープの先端位置で波形表示させます。先端部両脇の(影との差)エッジ角度に注目します。この角度が最も垂直に近づく場所、垂直トップ付近が鋭利に波形変動する所へ繊細にレンズピントを調整することで、正確なピント合わせが完了します。
    • Step3:照明の照射角度を正確に調整します。
      同じ先端位置波形を利用します。
      「照明固定シャーシ:照射上下振り方向」調整を再度操作し、波形の山が最も高くなる点を探す様に繊細に調整することで、正確な角度調整が完了です。
    • Step4:続いて、照明の傾きを正確に調整します。
      照明の傾きは「照明固定シャーシ:照射回転/左右(傾き)方向」で調整していきます。波形の山が最も平行になる場所を繊細に調整することで、正確な傾き調整も完了です。
    • 補足:
      1. カメラ、照明、(ワーク)の垂直(機器そのものの傾き)は、主柱からの各距離をスケールで測るのが簡単かつ最も正確です。故意に傾ける場合は「視野/照射左右振り方向」で調整します。
      2. 照明の照度を優先操作し、被写界深度が許容する限り、絞りは開き気味に調整します。
      (ライン撮像では絞りは明るさ調整のみでなくレンズ性能と関係します。)
        
  6. 撮像確認
    搬送ステーションが無くとも、さらに搬送機構が無くとも、FLEX-Lだけで基礎環境が整ったかどうかの撮像確認まで可能です。
    このご説明では、JISスチール定規を使用します。
    • 1. 照明点灯。JISスチール定規を円筒体の上に当て乗せる様にして手で持ちます。
    • 2. カメラを取り込みスタートとすると同時に、JISスチール定規をゆっくり引き抜く様に動かします。
    • 3. バッチリ、スチール定規が撮像されたと思います。(移動速度は手移動ですので無視です。うまく手移動をスキャンレート合わせるとそれなりに見てとれるほど撮像確認できてしまいます。)
    • 補足:ラインスキャンカメラはエンコーダなどを併用し試料と同期させて撮像します。しかし、簡易評価など多くの状況でオープンループで撮像しても十分評価できてしまいます。厳密に考えがちですが、余程の段階までFLEX-Lの調整機構と、DCモータと安定化電源で事足ります。
      • 1.~5.までの操作を必要に行いながら、目的の試料を撮像していくことと思います。
          
  7. 試料に対する必要画像の追求  
    • このご説明は、正反射を利用した撮像です。ラインカメラ撮像は、エリアカメラ撮像とはまったく相違した考え方で“期待する画像”を得ていきます。カメラ品種の特徴差、照明品種の差異、カメラ角の違い、照明角の違い、照明の位置の限りなく微妙な違い、さらに部材を追加した撮像など、この条件作りが会社様のテクニックであり各社固有の性能になります。
      FLEX-Lプラットフォームの機能を最大限に利用し自社のテクニック確立に発揮してみてください。
    • 金属面の円筒体や、高精度な画像取り込みを行う応用は筐体剛性を非常に高く必要です。生産設備ライン運用では、カメラ柱を両側で支える様にするなど、信頼強度アップすることを推奨します。
      拡張部品として主柱など各パーツを追い足し剛性アップや拡張することができます。
    • 5ミクロン分解能を超えるような応用は、制振を考慮する必要が出てきます。FLEX-Lのゴム足を取り外し、制振台などに固定して運用することを推奨します。